鳶職・鍛冶工に将来性はあるのか。建設業の人手不足をデータで見る

建設業の人手不足は深刻で、それでも将来性はあるのか。結論を先に書くと、人手不足が構造的に続くからこそ、経験や資格のない20代がいま入っても椅子取りゲームで弾かれる心配はしばらくありません。「鳶職や鍛冶工に将来性はあるのか」という応募前の不安に、厚生労働省・国土交通省の公的統計と民間調査、そして大阪市此花区で鉄骨工事・とび土工工事・鍛冶工事をしている株式会社柴田工業の実際の待遇を並べて答えます。

結論:人手不足だからこそ、20代・未経験者にとって建設業の将来性は高い

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Photo by Ben Griffiths on Unsplash

建設業の人手不足は一時的な現象ではなく、就業者数の減少と高齢化という2つの構造的な要因が重なって起きています。減った人数はもう急には戻らないため、この先しばらくは「人を採りたい会社」の数が「働きたい人」の数を上回る状態が続くと見るのが妥当です。

建設業の人手不足は「一時的」ではなく構造的

景気の波で求人が増減する業種もありますが、建設業の人手不足の背景にあるのは人口構成そのものの変化です。働ける年齢の人が減り、すでに現場にいる人の年齢が上がっている以上、数年の好況・不況では解消しません。この先の見出しで、その中身を数字で確認します。

この記事で使う数字は、すべて公的統計と一次情報

使うのは総務省「労働力調査」を国土交通省が集計した資料、厚生労働省の統計、国土交通省が公表しているCCUS(建設キャリアアップシステム)のレベル別年収、そして建設業界の需給を独自試算している民間調査会社の推計です。出典が確認できない数字は使いません。どの数字も、記事末の参考資料に出典を明記しています。

建設業の就業者数はピーク時から3割減っている

建設業で働く人の数は、平成9年(1997年)の685万人をピークに減り続け、令和6年(2024年)には477万人まで落ち込みました。ピーク比で約3割の減少です。人手不足は感覚の話ではなく、実際に人数が減っているという事実から来ています。

平成9年685万人 → 平成22年504万人 → 令和6年477万人

総務省「労働力調査」を国土交通省が集計した資料によると、建設業の就業者数は平成9年(1997年)の685万人がピークで、平成22年(2010年)には504万人、令和6年(2024年)には477万人まで減っています。バブル崩壊後の建設投資の縮小で人が離れ、その後も高齢化による自然減が続いている形です。

減っているのは人数だけではない。中核層も薄くなっている

同じ資料では、現場の中心を担う30〜49歳の中核層も、ピーク時の約238万人から約174万人まで減っています。若手が少ないだけでなく、教える側の中堅層も薄くなっているということです。次の見出しで年齢構成をさらに詳しく見ます。

高齢化の実態:55歳以上が36.7%、29歳以下は11.7%

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Photo by Sweet Life on Unsplash

建設業の就業者のうち55歳以上は36.7%、29歳以下は11.7%です。全産業平均(55歳以上32.4%、29歳以下16.9%)と比べても、建設業の高齢化ははっきり進んでいます。ベテランが抜けていく速さに、若手が入ってくる速さが追いついていません。

全産業と比べても、建設業の高齢化は際立つ

国土交通省「国土交通白書2025」が総務省「労働力調査」をもとにまとめた数字では、令和6年(2024年)時点で建設業の55歳以上は36.7%、29歳以下は11.7%。全産業ではそれぞれ32.4%、16.9%なので、建設業は「上が厚く、下が薄い」年齢構成が全産業より際立っています。20代の割合が全産業より5ポイント以上低いという事実は、裏を返せば20代の希少価値がそれだけ高いということでもあります。

「この先も人が減る」根拠はここにある

55歳以上が全体の3分の1を超えているということは、この層が今後10年前後で順次引退していく計算になります。入れ替わりに入ってくる29歳以下は全体の1割強しかいません。抜ける人数に対して入ってくる人数がもともと少ないので、何もしなければ就業者数はさらに減る、という見立てが成り立ちます。表にまとめます。

区分建設業全産業
就業者数(ピーク・平成9年)685万人—
就業者数(平成22年)504万人—
就業者数(令和6年)477万人—
中核層30〜49歳(ピーク時→令和6年ごろ)約238万人→約174万人—
55歳以上の割合(令和6年)36.7%32.4%
29歳以下の割合(令和6年)11.7%16.9%
出典:総務省「労働力調査」を国土交通省が集計した資料(国土交通省「国土交通白書2025」等)。中核層の数値は同資料に基づく概数。2026年9月時点で確認できた数字のみ掲載。

2030年、建設技能工は約17.9万人不足すると推計されている

民間調査会社ヒューマンリソシアの試算では、2030年に建設技能工(とび職・鍛冶工などの現場作業者にあたる区分)が全国で約17.9万人、建設技術者(施工管理などにあたる区分)が約4.5万人不足する見通しです。国の統計ではなく民間の推計ですが、方法が公開されている数字として参考にできます。

ヒューマンリソシアの推計:技術者4.5万人・技能工17.9万人不足

ヒューマンリソシア株式会社が2023年4月に公表した「建設技術者・技能工の2030年の未来予測(2023年版)」によると、国勢調査などの公的データをもとに独自試算した結果、建設技術者(建築技術者・土木測量技術者の合計)は2030年に45,491人、建設技能工(建設・採掘従事者の区分)は同じく2030年に179,121人が不足するとしています。技能工の不足は2020年時点の37,591人から年々拡大しており、現場の作業者が足りない状態はすでに始まっている、というのがこの推計の見立てです。

推計には前提がある。数字を鵜呑みにしない

この推計は「今後の経済成長が一定のペースで続く」という前提(ベースライン成長シナリオ)での試算で、外国人材の受け入れ拡大やロボット化・自動化がどこまで進むかによって数字は変わります。国土交通省自身も、CCUSのレベル別年収の資料で「本資料に示す金額に法的拘束力はない」と明記しているように、この種の推計は将来を保証するものではなく、あくまで現状の延長線上で見た目安です。

区分2020年2030年推計
建設技能工(建設・採掘従事者)37,591人不足179,121人不足
建設技術者(建築・土木測量技術者)—45,491人不足
出典:ヒューマンリソシア株式会社「建設技術者・技能工の2030年の未来予測(2023年版)」(2023年4月25日公表)。国勢調査等をもとにした同社独自試算、ベースライン成長シナリオの数値。国の公式統計ではなく民間調査会社の推計。

人手不足は「未経験者への間口の広さ」に直結する

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Photo by Martin Splitt on Unsplash

ここまでの数字が意味するのは、建設業という業界が縮んでいるのではなく、その業界で働く人が足りていないということです。会社の数が減っているわけではないので、未経験者を採用してでも人を確保したい会社が増えるのは自然な流れになります。

会社が減っているのではなく、人が足りていない

「人手不足の業界に入って大丈夫か」という不安は、業界そのものが縮小していくイメージと結びついていることが多いです。しかし就業者数が減っているのは「需要がないから」ではなく「担い手が高齢化して抜けていくから」です。仕事の需要と、それをこなす人数のバランスが崩れているだけなので、働く側から見れば必要とされ続ける状態がむしろ続きます。

学歴・年齢・経験不問の求人が珍しくない理由

29歳以下が全体の11.7%しかいない業界では、若い人材そのものが希少です。だからこそ「学歴・年齢・経験不問」「未経験歓迎」という条件を掲げる会社が珍しくありません。これは会社が甘いのではなく、母数として若手の応募自体が少ないという需給の反映です。未経験からのキャリアの中身は未経験から建設業へ転職する20代へに別でまとめています。

大阪市此花区の柴田工業が未経験者を歓迎する理由

ここまでの統計を踏まえたうえで、大阪市此花区で鋼構造物工事業・とび土工工事業・鍛冶工事を手がける株式会社柴田工業の実際の条件を書きます。社員は6名ほどで20代が中心、学歴・年齢・経験は不問です。

社員6名・20代中心という規模だからできること

29歳以下が全体の1割強という業界のなかで、柴田工業は20代が中心の会社です。社員6名ほどの規模だと、誰が何をできるようになったかが日々見えるので、能力・経験に応じて随時昇給を判断できます。年に一度の評価面談を待つ大きな会社の仕組みとは違う速さです。

日給13,000円〜25,000円、資格取得支援・手当あり

日給は13,000円〜25,000円で、能力・経験に応じて随時昇給。諸手当・残業手当・夜勤手当があり、各種社会保険も完備しています。資格取得支援・手当の制度もあるので、次に書く資格を取るたびに任される範囲が広がる仕組みと相性が良い会社です。日給から年収・手取りへの具体的な試算は鳶職の年収はいくらに計算過程つきでまとめています。

未経験から最初に目指す資格とその費用

鉄骨・とび系の現場で未経験の人が最初に必要になるのは、玉掛け技能講習とフルハーネス型墜落制止用器具の特別教育、そして溶接に関わるならアーク溶接等特別教育です。大阪で受講した場合の費用と時間は次のとおりです。

資格・教育費用(税込・大阪の一例)時間・日数
玉掛け技能講習(未経験者向けAコース)26,455円学科2日+実技1日/計19時間
フルハーネス型安全帯使用作業特別教育12,935円1日/6時間
アーク溶接等特別教育相場20,000〜32,000円(会員価格は11,110円台の例あり)学科11時間+実技10時間/計21時間
出典:西野田労働基準協会、建災防おおさか、大阪府内各機関の公表額(2026年9月時点)。資格取得支援・手当の対象と負担範囲は面接でご確認ください。詳しい費用の内訳は玉掛け技能講習は大阪でいくらにまとめています。

未経験からの伸びしろは、資格と経験年数で数字に出ている

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Photo by Anastassia Anufrieva on Unsplash

人手不足の業界では、経験を積んで資格を増やした人ほど代わりが利かなくなり、年収も上がりやすくなります。これは統計にもはっきり表れています。

資格を取るたびに任される範囲が変わる

玉掛けとフルハーネスを取ると、荷を吊る作業と高所作業の両方に入れるようになります。さらに足場の組立て等作業主任者(満21歳以上・足場作業3年以上)や鉄骨の組立て等作業主任者(満18歳以降の実務3年以上)は経験年数の要件があるため、資格は取れる順番が決まっています。この業界で人手不足が続くということは、資格を持つ人ほど現場で頼られ続けるということでもあります。

経験年数で年収の段差がある

厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」の建設躯体工事従事者(鳶職を含む区分)を経験年数別に見ると、経験1〜4年が約309万円、5〜9年が約401万円と、5年目前後で大きな段差があります。年代別では20〜24歳が約286万円、25〜29歳が約338万円、30〜34歳で約405万円です。日給からの月収・年収の試算や年代別の詳しい数字は鳶職の年収はいくらで計算しています。

CCUSのレベル別年収は、将来の到達点を示す目安

国土交通省が公表しているCCUS(建設キャリアアップシステム)のレベル別年収では、近畿ブロックのレベル4(登録基幹技能者相当)は標準値540万円〜目標値706万円以上とされています。人手不足が続くほど、資格と経験を積んだ人材の価値は下がりにくくなります。金額に法的拘束力はないと国土交通省自身が明記していますが、業界全体としてどこを目指せばよいかの目安にはなります。

統計だけでは見えない、都合の悪いことも書く

人手不足だからといって、誰でもどんな条件でも続けられるわけではありません。良い数字だけを並べるのは誠実ではないので、ここで一度立ち止まります。

人手不足でも「誰でも続く」わけではない

厚生労働省「令和6年雇用動向調査」で25〜29歳男性が前職を辞めた理由を見ると(全産業ベース)、「その他の個人的理由」24.2%を除けば「給料等収入が少なかった」16.9%が最多で、「職場の人間関係が好ましくなかった」11.5%、「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」9.8%が続きます。人手不足だから会社に残ってもらえる、という単純な話ではなく、収入・人間関係・労働条件のどれかで納得できなければ人は離れます。

平均は平均。会社ごとの条件差は統計に出ない

この記事で挙げた年収や不足数はすべて業界全体・全国の平均や推計です。同じ「鳶職・鍛冶工」という職種でも、日給の水準、昇給の速さ、手当の有無は会社によって差があります。統計は「業界としてどちらの方向に向かっているか」を示すもので、「あなたが入る会社の条件」を保証するものではありません。個別の条件は必ず面接で直接確認してください。

日給制である以上、稼働日数のリスクは残る

人手不足で仕事の依頼自体は増えても、日給制である以上、天候や現場の切れ目で稼働日数が減れば月収は下がります。人手不足が続くという業界の将来性と、自分の月々の収入が安定するかどうかは、厳密には別の問題です。この点は鳶職はきついのかでも触れています。

建設業の将来性についてよくある質問

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Photo by eskay lim on Unsplash

建設業は本当にこの先も人手不足が続きますか?

現時点の統計からはそう見えます。55歳以上が36.7%を占める一方、29歳以下は11.7%しかいないため、今後10年前後で多くのベテランが引退年齢に入り、入れ替わりの若手が構造的に足りません。民間調査会社の推計でも2030年に建設技能工が約17.9万人不足するとされています。ただし外国人材の受け入れ拡大やロボット化の進み方によって変わる可能性はあります。

未経験でも本当にやっていけますか?

統計上、業界全体が未経験者を必要としている状態です。柴田工業も学歴・年齢・経験不問で募集し、資格取得支援・手当の制度があります。ただし「楽である」という意味ではありません。最初の数か月は言葉も道具の名前も分からない期間があります。入社後の具体的な流れは未経験から建設業へ転職する20代へにまとめています。

AIやロボットに仕事を奪われませんか?

鉄骨建方や溶接、玉掛けといった作業は、現場ごとに形の違う部材を人が判断しながら組む仕事で、定型化しにくい領域です。今回参照した推計も、ロボット化・自動化の進展を人手不足を和らげる要因として想定していますが、それでも2030年時点で数万人単位の不足を見込んでいます。当面は人手が置き換わるより、足りない状態が続くと見るほうが自然です。

人手不足なら、給料はどんどん上がりますか?

資格と経験を積んだ人材の価値が下がりにくくなる、という方向には働きます。ただし国土交通省もCCUSのレベル別年収について「金額に法的拘束力はない」と明記しているとおり、支払いを保証する仕組みではありません。上げ幅は会社ごとの判断によります。柴田工業では能力・経験に応じて随時昇給としています。

鳶職と鍛冶工で、将来性に違いはありますか?

厚生労働省の統計では鳶職・鍛冶工を単独で区分していないため、職種別の不足数を分けて示すことはできません。ただしどちらも玉掛けや溶接といった資格を軸にキャリアが積み上がる点は共通しています。柴田工業では鉄骨建方・溶接・金属加工を一体で手がけているため、両方の技術を並行して身につけられます。

他の職種から転職しても、この先食べていけますか?

統計だけで「食べていける」を保証することはできませんが、業界として人を必要とし続けている状況と、資格・経験に応じて日給が上がる構造がある点は確認できます。前職の収入によっては一時的に下がる可能性もあるので、目先の1年ではなく3年後・5年後で判断することをおすすめします。

大阪市此花区で鳶職・鍛冶工として働きたい方へ

建設業の人手不足は、統計を見るかぎり構造的で、この先すぐには解消しません。それは業界が縮んでいくという意味ではなく、20代・未経験者がいま入っても必要とされ続けるという意味です。

株式会社柴田工業は、大阪市此花区伝法で鋼構造物工事業・とび土工工事業・鍛冶工事・鉄骨建方・溶接・金属加工を手がける社員6名ほどの会社です。20代が中心で、学歴・年齢・経験は問いません。日給13,000円〜25,000円、能力・経験に応じて随時昇給、資格取得支援・手当あり。応募は電話と公式LINEで受け付けています(応募フォームはありません)。

電話:06-7710-5252(受付8:00〜17:00・土日祝を除く)
所在地:大阪市此花区伝法6-2-2-409
募集要項の詳細は採用情報のページをご覧ください。

参考資料:総務省「労働力調査」を国土交通省が集計した資料・国土交通省「国土交通白書2025」、厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」(集計はキャリコンジョブ/BRANU株式会社)、厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概況」、国土交通省「CCUSにおけるレベル別年収」(令和5年6月公表)と「同 概要(令和7年12月改定)」、ヒューマンリソシア株式会社「建設技術者・技能工の2030年の未来予測(2023年版)」、西野田労働基準協会、建災防おおさか。金額・数値は2026年9月時点で確認できたもの。