小さい会社で建設の仕事をするメリットは、仕事の全体が見えて早く任されることです。デメリットは、人が少ないぶん逃げ場がないことです。大阪市此花区の株式会社柴田工業は社員6名ほどの会社なので、良いところだけを並べても入社してすぐバレます。良い面と都合の悪い面を同じ分量で書きます。
読み終えて「柴田工業に応募しよう」と思ってもらえなくても構いません。大手と中小のどちらに出すかを自分の言葉で説明できれば十分です。
先に結論|早く任される代わりに、逃げ場がない
少人数の建設会社は、覚えるスピードと任される速さでは大きい会社より有利です。その代わり、人間関係・休みの調整・教育の仕組みという3点で不利になりやすい。この不利をどう受け止めるかで向き不向きが分かれます。
- 有利になりやすいこと:仕事の全体が見える/放置されない/判断が早い/社長との距離が近い/未経験でも早く任される
- 不利になりやすいこと:休みの調整が難しい場面がある/制度がすべて整っているとは限らない/合わない人がいると逃げ場がない/教育が体系化されていない/会社の状況が自分に直結する
柴田工業について書けるのは求人票に出している事実の範囲だけです。休みの取りやすさや教え方は会社差が大きく、ここで「大丈夫です」と書いても意味がないので、一般論として書いたうえで面接で確認してほしいことをまとめます。
建設業は、そもそも小さい会社でできている

「零細の建設会社は大丈夫か」と思うかもしれませんが、統計を見ると建設業はほぼ全部が中小企業です。大手のほうが例外だ、と言ったほうが実態に近い。
全国48万業者のうち99.5%が中小企業
国土交通省「建設業許可業者数調査」によると、令和7年3月末現在の建設業許可業者数は483,700業者。うち個人および資本金3億円未満の法人は481,374業者で、全体の99.5%を占めます。中小企業基本法では建設業は資本金3億円以下または従業員300人以下が中小企業なので、許可を持つ建設会社の1,000社に995社は中小ということです。
| 区分 | 業者数 | 構成比 |
|---|---|---|
| 個人 | 67,277 | 13.9% |
| 法人・資本金200万円未満 | 32,618 | 6.7% |
| 法人・200万〜500万円未満 | 109,968 | 22.7% |
| 法人・500万〜1,000万円未満 | 95,855 | 19.8% |
| 法人・1,000万〜5,000万円未満 | 160,088 | 33.1% |
| 法人・5,000万円以上 | 17,894 | 3.7% |
最多は資本金300万〜500万円未満の法人。一方、資本金100億円以上の法人は292業者、全体の0.1%しかありません。
大阪府だけで41,645業者ある
同じ調査で大阪府の許可業者数は41,645業者。全国の8.6%で、東京都の44,655業者に次ぐ2位です。柴田工業が持つとび・土工工事業の許可は全国183,700業者が取得しており、29業種のなかで最多の38.0%です。
大阪で鳶や鉄骨の仕事を探すなら、選択肢のほとんどは小さい会社です。規模ではなく中身で見たほうがいい、というのがこの記事の立場です。
少人数の会社で働くメリット
少人数の強みは、ほぼすべて「距離の近さ」から来ています。人と人、仕事と仕事の間に挟まるものが少ないぶん、覚えるのも任されるのも早くなります。
仕事の全体が見える
人数が少ないと担当が細かく分かれません。図面を見るところから材料の段取り、建方、溶接、片付けまでが同じ数人で回ります。今日の作業が全体のどこに当たるのかが自然に分かるので、言われたことだけやって帰る状態になりにくい。大きい会社の若手が数年かけて掴むことを、最初から見られます。
誰も放置されない
6人の現場で1人が止まっていたら全員に伝わります。良くも悪くも隠れられません。裏返すと、分からないまま放っておかれることがない。同期が20人いる会社で「聞ける空気じゃないまま3か月が過ぎた」という話はよくありますが、少人数だとその状況が成立しません。
判断が早い
現場で想定外のことが起きても、稟議も部署間の調整もありません。その場にいる人間で決めて動きます。工具を買う、段取りを変えるといったことも同じです。働く側から見れば、自分の意見が通る余地があるということでもあります。
社長との距離が近い
社員6名なので、社長は毎日顔を合わせる相手です。評価する人と、自分の仕事を実際に見ている人が同じになります。柴田工業の日給は13,000円〜25,000円で、能力・経験に応じて随時昇給としています。年1回の査定を待たなくてよい、ということです。もっとも、合わなければ毎日それが続くという意味でもあります。
未経験でも早く任される
人手に余裕がないので、できるようになったことから順に任されます。順番待ちがありません。資格でも小さい会社が有利な制度があり、人材開発支援助成金の建設労働者技能実習コースは、雇用保険被保険者20人以下の事業主だと1人1日9,500円(CCUS登録事業者は10,450円)が助成されます。21人以上の8,550円より手厚く、柴田工業は20人以下の区分に該当します。
ただし自己負担の範囲は会社ごとに運用が違います。柴田工業にも資格取得支援・手当の制度はありますが、どこまで会社が持つのかは面接で確認してください。
少人数の会社のデメリット

ここからは都合の悪い話です。弱点もやはり距離の近さと人数の少なさから来ています。メリットと同じ原因なので、片方だけ手に入れることはできません。
休みの調整が難しい場面がある
一般に、人数が少ない会社ほど1人抜けたときの影響が大きくなります。工期の決まった現場で同じ日に2人休みたいとなれば、どちらかが動かざるを得ない場面は出てきます。大きい会社なら別の班から人を回せますが、小さい会社にその余力はありません。柴田工業は8:00〜17:00、週休制・年末年始休暇、時短勤務制度ありという条件ですが、希望した日に必ず休めるかは現場の状況によります。繁忙期の実態は面接で直接聞いてください。
制度がすべて整っているとは限らない
大手には人事部があり、規程があり、相談窓口があります。少人数の会社にはそれが無いことが多い。柴田工業は各種社会保険完備、交通費一部支給、諸手当・残業手当・夜勤手当、日払い・週払い・即日払い、U・Iターン支援といった制度を用意していますが、大手と同じ厚みだとは言いません。求人票に書いていないものは無いと思って確認してもらったほうが、お互いに不幸がありません。
合わない人がいると逃げ場がない
これがいちばん大きい。6人の会社で誰か1人と合わなかった場合、部署異動も現場替えも基本的にできず、毎日その人と作業します。大きい会社なら来年の異動まで我慢する手がありますが、小さい会社にはありません。面接で会った人と毎日働くことになると考えて、違和感があれば見送ったほうがいい。
教育が体系化されていない
一般に、少人数の会社には新人研修のカリキュラムやeラーニングのような仕組みがありません。教わり方は現場で先輩から、というかたちになります。理屈から順を追って学びたいタイプには不親切に感じられるはずです。未経験で入った最初の3か月に何をやるのかは未経験から建設業へ転職する20代へに書いているので、そちらも見てから判断してください。
会社の状況が自分に直結する
受注が薄くなれば、数人の会社ではすぐ分かります。他部門の利益で吸収されません。良いときの手応えも早いですが、悪いときも早い。この振れ幅を面白いと思うか不安と思うかは人によります。
| 場面 | 少人数の会社 | 大きい会社 |
|---|---|---|
| 覚えるスピード | 全体が見えるので早い | 担当が分かれ、狭く深くなる |
| 任されるまで | できたことから順に早い | 順番と等級がある |
| 人間関係 | 合えば強い。合わないと逃げ場がない | 異動や配置換えで距離を置ける |
| 休みの調整 | 代わりがおらず難しい場面がある | 人を回せる余力がある |
| 教育 | 現場で先輩から | 研修や教材の仕組みがある |
| 制度 | 必要なものから順に整備 | 規程・窓口が揃っている |
給料は大手と中小でどれくらい違うのか
企業規模で賃金に差はあります。産業計では小企業は大企業の82.1%の水準です。ただし建設の技能職は日給制で手当の割合が大きく、月給表だけでは実際の差を測れません。
産業計では、小企業は大企業の82.1%
| 企業規模 | 賃金(月額・男女計) | 大企業=100の水準 |
|---|---|---|
| 大企業(常用労働者1,000人以上) | 364,500円 | 100.0 |
| 中企業(100〜999人) | 323,100円 | 88.6 |
| 小企業(10〜99人) | 299,300円 | 82.1 |
大企業と小企業の差は月額で約65,000円、年間なら約78万円。無視できる差ではありません。しかもこの「小企業」は10〜99人の区分で、社員6名の柴田工業はさらにその外側です。看板だけで比べれば大手が有利、というのは事実です。
建設業は正社員かどうかの差も大きい
同じ調査で建設業を雇用形態で見ると、正社員・正職員が356,500円、それ以外が296,200円。正社員を100とすると83.1の水準で、企業規模とほぼ同じ幅の差が正社員かどうかでも生まれています。小さい会社の正社員のほうが、大きい会社の非正規より高くなることもある、ということです。
柴田工業の日給と、そこからの試算
柴田工業の日給は13,000円〜25,000円です。仮に月22日稼働として試算すると、日給13,000円で月286,000円、18,000円で月396,000円。これは手当や残業を含まない単純な掛け算による試算で、支給額を保証するものではありません。実際には諸手当・残業手当・夜勤手当が別途あり、逆に天候や工期で稼働日数が変わります。金額を詰めたい方は鳶職の年収はいくらかで手取りまで計算しているので、そちらを見てください。
「零細 建設会社 やめとけ」は本当か

「やめとけ」と言われる理由の多くは、規模ではなく個別の会社の問題です。データを見ると、建設業全体の離職率はむしろ産業計より低い水準にあります。
建設業の離職率は産業計より低い
厚生労働省「令和6年雇用動向調査」によると、建設業の入職者は294.0千人・離職者は250.3千人。入職率11.7%に対して離職率10.0%で、入職が離職を上回っています。産業計の離職率14.2%より4.2ポイント低い。すぐ辞める業界というイメージは、少なくとも全体の数字では裏付けられません。
一方で人が減っているのは事実です。総務省「労働力調査」をもとにした日本建設業連合会の集計では、建設業就業者は2025年で478万人。ピークの1997年685万人の69.8%まで減りました。年齢構成は55歳以上が約37%、29歳以下が約12%です。20代がどこでも歓迎される状況自体は続いています。
20代が辞める理由は、給料・人間関係・休み
同じ調査で25〜29歳男性が前職をやめた理由(全産業ベース)を見ると、「その他の個人的理由」24.2%を除けば「給料等収入が少なかった」16.9%が最多、次いで「職場の人間関係」11.5%、「労働時間・休日等の労働条件」9.8%です。
この3つは、そのまま小さい会社が弱くなりやすいところと重なります。「零細はやめとけ」という声が出るのも理解できます。ただ、規模の問題というより、その会社が3点をどう扱っているかの問題です。給料の決め方を説明できない会社、人間関係の話をはぐらかす会社、休みの実態を言わない会社は、規模に関係なくやめておいたほうがいい。答えてくれる会社なら小さくても選ぶ価値があります。
なお、仕事そのもののきつさは規模とは別の話です。鳶や鉄骨のきつさの中身は鳶職はきついのかにまとめています。混ぜないほうが判断しやすくなります。
大手と中小、自分はどちらで伸びるか
どちらが優れているかという問いに答えはありません。自分がどちらで伸びるか、という問いに変えると答えが出ます。
少人数の会社で伸びやすい人
- 教わる前に、まず手を動かしてみるほうが早い
- 自分の仕事が何の役に立っているかをその場で知りたい
- 「これは自分の担当じゃない」と言わずに済むほうが気が楽
- 人数が多いほうがかえって疲れる
- 2〜3年で一通りできるようになりたい
大きい会社で伸びやすい人
- 体系立った研修やマニュアルがあると理解が進む
- 合わない人がいたときに距離を置ける環境が要る
- 休みを先に決めて予定を組みたい
- 制度や規程がはっきりしているほうが安心できる
- 一つの分野を深く突き詰めたい
どちらとも言えない場合は両方受けてください。面接に行けば求人票では分からないことがだいたい分かります。大手と小さい会社を1社ずつ受けて比べるのが、いちばん確実です。
大阪市此花区の柴田工業はこういう会社です

一般論が続いたので、最後に自社のことを事実だけ書きます。株式会社柴田工業は大阪市此花区伝法の会社で、鋼構造物工事業、とび・土工工事業、鍛冶工事、鉄骨建方、溶接、金属加工を手がけています。建設業許可は大阪府知事許可(般-4)第158981号。社員は6名ほどで、20代が中心です。
- 日給13,000円〜25,000円(能力・経験に応じて随時昇給)
- 諸手当・残業手当・夜勤手当あり
- 勤務時間 8:00〜17:00/週休制・年末年始休暇
- 各種社会保険完備、交通費一部支給
- 資格取得支援・手当あり
- 日払い・週払い・即日払いOK
- U・Iターン支援あり、時短勤務制度あり、服装自由
- 学歴・年齢・経験不問、未経験OK。経験者・有資格者は優遇。普通自動車免許のある方歓迎
1日の流れは7:30出社、7:45朝礼、8:00作業開始、12:00昼休憩、13:00作業開始、15:00小休憩、16:45現場終了、17:00帰社です。少人数なので朝礼で全員がその日の段取りを共有します。誰が何をやっているか分からない、ということは起きません。
入社2年目の社員は前職がホストクラブです。知人の紹介で入り、いまは溶接技術を習得中。建設の経験は無い状態からのスタートでした。前歴が特殊でも問題にならないのは、少人数で一人ひとりを見ているからだと思っています。逆に言えば6人という規模なので、合う合わないは入ってすぐ分かります。承知のうえで来てほしい、というのが正直なところです。
よくある質問
社員6名の会社に入って、将来が不安になりませんか?
不安になる人はいます。ただ建設業許可業者483,700業者のうち99.5%が中小で、大手のほうが例外です。不安を減らす方法は会社の規模を上げることではなく、自分に資格と技能を残すことです。玉掛け、フルハーネス、アーク溶接、足場や鉄骨の作業主任者は、会社が変わっても持ち歩けます。
小さい会社だと給料は上がりにくいですか?
統計では産業計で小企業は大企業の82.1%の水準なので、差はあります。柴田工業は日給制で能力・経験に応じて随時昇給としており、年1回の査定を待たずに上がる可能性がある一方、上がらないまま据え置かれる可能性もあります。面接で「どうなったら上がるのか」を必ず聞いてください。答えられない会社は避けたほうがいい。
人が少ないと、休みは取りにくいですか?
一般に、少人数の会社は代わりがいないため希望どおりにいかない場面はあります。柴田工業は週休制・年末年始休暇、時短勤務制度ありという条件ですが、繁忙期の実態は口で説明したほうが正確です。面接か電話で直接確認してください。ここで「大丈夫です」とだけ書くのは不誠実だと思っています。
未経験でも研修はありますか?
大手のような集合研修やeラーニングの仕組みはありません。現場で先輩から教わりながら覚えるかたちです。学歴・年齢・経験不問で未経験OKとしているのは、教える前提で採っているからです。理屈から順に学びたい人には向かないやり方なので、先に知っておいてください。
大手と迷っています。両方受けてもいいですか?
受けてください。むしろそのほうがいい。両方の面接に行き、話した人の印象と説明の具体性で決めるのが確実です。比べたうえで大手を選ばれたなら、それが正しい選択だと思います。
応募方法|電話かLINEだけです

大阪市此花区の株式会社柴田工業では応募フォームを用意していません。電話かLINEで連絡してください。エントリー(電話)→書類選考(履歴書)→面接→内定→入社という流れです。
面接では、この記事に書いたデメリットについて遠慮なく質問してください。休みの調整、教え方、給料の上がり方、いっしょに働く人。この4つを聞かずに入ると、あとで「思っていたのと違う」になります。答えられる範囲で全部答えます。
電話は06-7710-5252、受付は8:00〜17:00(土日祝を除く)。日中は現場に出ていることが多いので、つながらない場合はLINEのほうが確実です。募集条件のまとめは採用情報に掲載しています。
株式会社柴田工業/大阪市此花区伝法6-2-2-409/TEL 06-7710-5252(8:00〜17:00・土日祝を除く)/建設業許可 大阪府知事許可(般-4)第158981号