アーク溶接特別教育を大阪で受ける費用は、実技まで含めたコースでおおむね20,000〜32,000円です。学科11時間と実技10時間、合わせて21時間の教育が法令で決まっていて、日数は3日間かかります。ただし大阪の実施機関を並べると1万円台の案内も出てきます。これは学科だけを扱う機関で、実技10時間は自分の会社で受ける前提になっているためです。この記事では、大阪市此花区で鉄骨工事・とび土工工事・鍛冶工事をしている株式会社柴田工業が、費用と受け方、そしてガス溶接技能講習やJIS溶接技能者評価試験との違いを、条文と実際の金額を挙げて整理します。
アーク溶接特別教育は大阪でいくら、何日かかるか
結論から書きます。学科と実技をまとめて受けられるコースなら、大阪での費用はおおむね20,000〜32,000円、日数は3日間です。学科11時間+実技10時間=計21時間という教育時間そのものは、どこで受けても法令で同じです。

相場は20,000〜32,000円、日数は3日
大阪府内の実施機関を見比べると、実技込みのコースは20,000円台から30,000円台前半に収まります。たとえば住友建機教習所の大阪教習センター(大阪市西淀川区大野3-7-210)は30,000円(税込)で3日間、屋内で実技を行う形です。金額の幅は、テキスト代の有無と、実技をどこまで教習所側でやるかで生まれます。
玉掛け技能講習が大阪で22,000〜27,000円ほどなので、感覚としては同じか少し高いくらいです。玉掛けの費用と会場は玉掛け技能講習は大阪でいくらかにまとめてあります。
「1万円台」と書いてある案内は学科だけのことがある
検索すると11,000円前後の案内も出てきます。安いほうがいいと思って申し込む前に、実技が含まれているかを必ず確認してください。大阪には、学科11時間だけを2日間で実施し、実技10時間は受講者の所属会社が自前でやる前提の機関があります。この場合、学科を修了しただけでは特別教育を修了したことにならず、現場で溶接はできません。
会社に溶接機と指導できる先輩がいるなら、この方式のほうが総額は安く済みます。逆に、これから就職する方や自分ひとりで資格だけ先に取りたい方には向きません。値段だけを横並びで比べると判断を間違えます。
アーク溶接特別教育とは何か
アーク溶接特別教育は、「持っていると有利な資格」ではなく「修了していないと業務に就かせてはいけない」という種類のものです。労働安全衛生規則第36条第3号で対象業務が定められています。
労働安全衛生規則第36条第3号で決まっている
条文の対象は「アーク溶接機を用いて行う金属の溶接、溶断等(アーク溶接等)の業務」です。労働安全衛生法第59条第3項にもとづく特別教育のひとつで、事業者は、この業務に労働者を就かせる前に教育を実施する義務を負います。溶接だけでなく、溶断も対象に入っている点は見落とされがちです。
18歳未満は就かせられない
アーク溶接の業務は、労働基準法第62条と年少者労働基準規則第8条により、満18歳未満の就業が禁止されています。高校を出てすぐ入社した方でも、18歳の誕生日を迎えていれば受講できます。実施機関の申込条件にも「満18歳以上」と書かれているのが普通です。
学科11時間・実技10時間の中身
教育の科目と時間は、安全衛生特別教育規程第4条で細かく決まっています。学科は4科目で合計11時間以上、実技は10時間以上です。「以上」なので、実施機関が長くする分には問題ありませんが、短くはできません。

学科は4科目で11時間
学科の内訳は次のとおりです。半分以上が「作業の方法に関する知識」に割かれているのが特徴で、点検整備から作業後の処置、災害防止までを扱います。
| 科目 | 範囲 | 時間 |
|---|---|---|
| アーク溶接等に関する知識 | アーク溶接等の基礎理論、電気に関する基礎知識 | 1時間以上 |
| アーク溶接装置に関する基礎知識 | 直流・交流アーク溶接機、自動電撃防止装置、溶接棒等とホルダー、配線 | 3時間以上 |
| アーク溶接等の作業の方法に関する知識 | 作業前の点検整備、溶接・溶断等の方法、溶接部の点検、作業後の処置、災害防止 | 6時間以上 |
| 関係法令 | 法、令および安衛則中の関係条項 | 1時間以上 |
実技10時間は自社で受ける方式もある
実技は「アーク溶接装置の取扱い及びアーク溶接等の作業の方法について、10時間以上」と規定されています。この10時間を、教習所で全部やるのか、一部だけやって残りを会社で埋めるのか、まったくやらないのかが、機関によって分かれます。
自社で実技を実施した場合、事業者は作業記録を残す必要があります。特別教育の記録は労働安全衛生規則第38条により3年間保存すると決まっていて、受けた本人ではなく会社側の管理事項です。
大阪で受けられる機関と費用
大阪府内の主な実施機関を、実技の扱いも含めて並べます。金額だけでなく「実技をどこでやるか」の欄を見てください。同じ資格でも、受け方がまったく違います。
| 実施機関 | 費用(税込) | 日数 | 実技の扱い |
|---|---|---|---|
| 住友建機教習所 大阪教習センター(西淀川区大野3-7-210) | 30,000円 | 3日 | 屋内で実施 |
| 一般社団法人大阪溶接協会 | 13,200円(テキスト代込) | 2日 | 3時間のみ協会で実施。残り7時間は各社で実施し記録を3年保管 |
| 東大阪労働基準協会(東大阪市文化創造館) | 会員11,110円/非会員12,210円 | 2日 | 実施なし(学科11時間のみ) |
| 一般社団法人大阪府溶接技術協会 | 要問い合わせ | 2日 | 実施なし(学科のみ・事業者からの申込限定) |
実技まで込みで受けられる教習所
住友建機教習所の大阪教習センターのように、3日間で学科も実技も終わるタイプです。金額は30,000円と高めですが、これ1本で修了証まで届きます。溶接機を持っていない会社に勤めている方、これから就職する方は、実質的にこちらしか選べません。
学科だけを扱う協会は安く見える
東大阪労働基準協会は、会員11,110円・非会員12,210円で学科11時間を2日間実施します。実技は各事業場で実施する前提です。大阪府溶接技術協会も学科のみで、しかも事業者からの申込しか受け付けていません。半額以下に見えますが、実技10時間分のコストが会社側に移っているだけです。まだ働いていない方は、そもそも申し込めない場合があると考えてください。
特別教育・ガス溶接技能講習・JIS評価試験の違い
溶接まわりでいちばん混乱するのがここです。アーク溶接等特別教育、ガス溶接技能講習、JIS溶接技能者評価試験は、根拠になっている法律も、目的も、更新の有無もそれぞれ違います。名前が似ているだけで、まったく別の制度です。

| 項目 | アーク溶接等特別教育 | ガス溶接技能講習 | JIS溶接技能者評価試験 |
|---|---|---|---|
| 根拠 | 労働安全衛生法第59条第3項/安衛則第36条第3号 | 労働安全衛生法第61条/施行令第20条第10号 | 日本産業規格(JIS Z 3801ほか)/日本溶接協会 |
| 性格 | 特別教育。修了しないと業務に就かせられない | 就業制限業務。技能講習修了者等でないと就けない | 技量を証明する資格。法令上の就業要件ではない |
| 時間・日数 | 学科11時間+実技10時間=21時間/3日 | 2日(2日目が実技) | 学科試験+実技試験 |
| 大阪の費用 | 20,000〜32,000円(実技込みの場合) | 11,100円(大阪府溶接技術協会) | 試験区分・実施機関による |
| 更新 | 法令上の有効期限なし | 法令上の有効期限なし | 適格性証明書は1年。サーベイランス2回のあと再評価 |
アーク溶接は特別教育、ガス溶接は技能講習になる理由
同じ溶接なのに区分が違うのは、ガス溶接が「就業制限業務」に指定されているからです。労働安全衛生法第61条は、政令で定める業務について、技能講習修了者などの資格がなければ就かせてはならないと定めています。その政令にあたる労働安全衛生法施行令第20条第10号に、「可燃性ガス及び酸素を用いて行う金属の溶接、溶断又は加熱の業務」が挙がっています。
アセチレンなどの可燃性ガスと酸素をボンベで扱う作業は、感電や火傷に加えて爆発の危険があります。危険度の区分が上のため、特別教育ではなく、都道府県労働局長の登録を受けた機関が行う技能講習として制度化されています。難易度が高いという意味ではなく、法律上の枠組みが違うということです。
ガス溶接技能講習は大阪で11,100円・2日
大阪府溶接技術協会のガス溶接技能講習は11,100円(税込)で、講習・テキスト・修了証の発行と送料まで含まれています。日数は2日で、2日目が実技です。1日目の会場は難波ビル5階(大阪市浪速区元町2-8-9)です。受講日現在で満18歳未満は受けられません。
鉄骨や鍛冶の現場では、ガス切断(酸素とアセチレンで鋼材を切る作業)を使う場面がまだ多く残っています。アーク溶接特別教育とセットで持っておくと、任される作業の幅が広がります。合わせても4万円前後です。
JIS溶接技能者評価試験は1年ごとの更新がある
JIS溶接技能者評価試験は、日本溶接協会が実施する技量の評価試験です。法令上の就業要件ではありませんが、公共工事や建築鉄骨では発注者や元請から有資格者の配置を求められることがあり、会社が仕事を受けられるかどうかに関わります。
特別教育と決定的に違うのが、維持のしかたです。交付される適格性証明書の有効期間は1年で、満了前3か月以内にサーベイランス(継続の確認)を申請し、適格性が維持されていれば次の1年が交付されます。これを2回受けて登録後3年が経過したあと資格を更新するには、有効期間満了前8か月から2か月の間に再評価試験を受ける必要があります。放っておくと失効します。
溶接ヒュームの規制で近年増えたこと
特別教育の話だけで終わらせると、いまの現場の実態からずれます。溶接は2021年(令和3年)以降、健康面の規制がかなり増えた作業です。受ける側というより会社側の義務ですが、現場に入るなら知っておいて損はありません。
令和3年4月に溶接ヒュームが特定化学物質になった
溶接ヒュームは、アークの熱で溶けた金属が蒸気になり、空気中で固体の微粒子になったものです。煙のように見えるあれです。神経障害などの健康障害を及ぼすおそれがあることが明らかになったため、令和3年4月1日から特定化学物質(第2類物質)に追加され、特定化学物質障害予防規則の規制対象になりました。
これにより、濃度の測定、測定結果にもとづく呼吸用保護具の選定、換気装置の設置、作業場の清掃、そして6か月以内ごとの特殊健康診断が義務づけられています。溶接をするなら定期的に健康診断を受けることになる、と考えてください。
フィットテストと作業主任者の講習が加わった
令和5年4月からは、選んだ防じんマスクを正しく装着できているかを確認するフィットテストが、年1回の実施として義務になりました。確認を受けた者の氏名・日時・装着の良否などを記録し、3年間保存します。マスクを持っているだけでは足りず、顔に合っているかまで問われるようになりました。
作業主任者についても動きがありました。従来は2日間の特定化学物質・四アルキル鉛等作業主任者技能講習を受ける必要がありましたが、令和6年1月から、金属アーク溶接等の作業に限定した1日間の「金属アーク溶接等作業主任者限定技能講習」が新設されています。溶接しかやらない事業場は、こちらで作業主任者を選任できるようになりました。
鍛冶工事と鉄骨の現場で、溶接ができると何が変わるか
ここからは制度ではなく現場の話です。鉄骨建方と鍛冶工事の現場では、溶接ができるかどうかで、その日に任される作業がはっきり分かれます。21時間の教育で人生が変わるとまでは言いませんが、立ち位置は確実に変わります。

建方は仮止めから始まる
鉄骨建方では、クレーンで吊った柱や梁をボルトで固定していきますが、そのあいだに仮止めの溶接が入る場面があります。特別教育を修了していない人は、この作業に手を出せません。結果として玉掛けや合図、資材の運搬、片付けに回ります。仕事がないわけではありませんが、建物ができていく中心には立てません。
鍛冶工事は現場合わせの加工が中心
鍛冶工事は、図面どおりに納まらない部分を現場で合わせて作る仕事です。手すり、階段、庇、開口部の補強など、鋼材を切って、曲げて、くっつける工程がひとまとまりになっています。ガス切断と溶接ができて初めて一連の作業として回せるので、この分野では溶接ができるかどうかが、そのまま職人として立てるかどうかに直結します。
玉掛けと組み合わせて初めて一人で動ける
溶接だけできても、鋼材を吊れなければ材料を所定の位置に持っていけません。玉掛け技能講習と組み合わせて、ようやく「材料を吊って、据えて、くっつける」までを一人で担当できるようになります。どの資格をどの順番で取るのが効率的かは、鳶職の資格を取る順番の記事で全体像を整理しています。
未経験からアーク溶接を始めるまでの手順
未経験の方が最短で溶接を始めるなら、資格を先に取るより、仕事を先に決めたほうが早くて安く済みます。順番に説明します。
手順1 先に働く会社を決める
アーク溶接特別教育は事業者の義務として実施するものなので、就職先が決まっていれば会社側が段取りしてくれるのが普通です。溶接機のある会社なら実技を自社で実施でき、費用も日程も融通が利きます。自腹で30,000円払って先に取り急ぐ合理性は、実はそれほどありません。
手順2 実技込みか学科だけかを確認する
自分で申し込む場合は、ここを間違えないでください。案内に「学科のみ」「実技は各事業場で実施」と書いてあれば、それは11時間分しか終わりません。会社に頼らず一人で完結させたいなら、3日間で21時間すべてを実施する教習所を選びます。電話で「実技も含まれていますか」と一言聞けば済む話です。
手順3 申し込んで受講する
申込には本人確認書類の写しと顔写真が必要な機関が多く、受講料は振込か現金書留で先払いというところもあります。学科2日は座学で、電気の基礎、溶接機の構造、作業方法、関係法令を順に学びます。技能講習と違って修了試験はありませんが、居眠りしていればそのぶん身につきません。実技は溶接機の取扱いと、実際に溶接する練習です。
手順4 修了証を受け取り現場に持って行く
21時間を終えると修了証が交付されます。法令上の有効期限はなく、全国どこの現場でも通用します。入場時に資格の写しを求められる現場もあるので、カード型で受け取れる機関ならそのまま携帯しておくと手間が減ります。紛失したときは受けた機関に再交付を申請します。
よくある質問

まったくの未経験でも受けられますか?
受けられます。アーク溶接等特別教育に実務経験の要件はありません。満18歳以上であることが実質的な条件です。足場の組立て等作業主任者のように経験年数を求められる講習とは違い、誰でも受けられる入口の教育です。
費用は会社が出してくれますか?
会社によります。株式会社柴田工業には資格取得支援・手当の制度がありますが、どの講習をどこまで負担するかは面接のときに直接確認してください。ここで全額負担しますと書くのは簡単ですが、条件を確かめないまま入社して食い違うほうが困ります。なお中小の建設業では、人材開発支援助成金(建設労働者技能実習コース)で講習費用の一部を国から受け取る制度もあります。
修了証に有効期限はありますか?
ありません。特別教育の修了証には、法令上の更新義務や有効期限の定めはありません。一度取れば持ち続けられます。1年ごとのサーベイランスと3年ごとの再評価が必要なJIS溶接技能者評価試験とは、ここが決定的に違います。混同されやすいので、求人票に「溶接資格」とだけ書いてある場合は、どちらを指しているのか確認したほうが確実です。
学科だけの講習を受ければ現場で溶接できますか?
できません。特別教育は学科11時間と実技10時間の両方を終えて修了です。学科だけを受けた状態は、教育の途中で止まっている状態にあたります。学科を協会で受け、実技10時間を自社で実施して、そこで初めて修了になります。
半自動溶接やTIG溶接も同じ特別教育でいいですか?
労働安全衛生規則第36条第3号の対象は「アーク溶接機を用いて行う金属の溶接、溶断等」なので、アーク溶接機を使う方式であれば、この特別教育の範囲に含まれます。方式ごとに別の特別教育を受け直す必要はありません。ただし、法令上就けるかどうかと、実際にきれいに溶接できるかどうかは別問題です。現場での技量は、修了後に手を動かして身につけるものです。
大阪市此花区で溶接を覚えたい方へ
アーク溶接特別教育は、大阪で実技込み20,000〜32,000円、3日21時間です。金額の幅は難易度ではなく、実技をどこでやるかの違いにすぎません。
株式会社柴田工業は、大阪市此花区伝法で鉄骨工事・とび土工工事・鍛冶工事をしている社員6名ほどの会社です。20代が中心で、学歴・年齢・経験は問いません。入社2年目の社員は前職がホストクラブで、知人の紹介で入って、いま溶接技術を習得しているところです。日給13,000円〜25,000円、能力・経験に応じて随時昇給します。資格取得支援・手当の制度もあります。応募や質問は電話とLINEで受け付けています(応募フォームはありません)。「溶接をやってみたいが何から始めればいいか分からない」という段階のご連絡でもかまいません。
電話:06-7710-5252(受付8:00〜17:00・土日祝を除く)
所在地:大阪市此花区伝法6-2-2-409
募集要項の詳細は採用情報のページをご覧ください。
参考資料:労働安全衛生法・同施行令・労働安全衛生規則、安全衛生特別教育規程(昭和47年労働省告示第92号)、特定化学物質障害予防規則、年少者労働基準規則、日本溶接協会、大阪府溶接技術協会、大阪溶接協会、東大阪労働基準協会、住友建機教習所 大阪教習センター。金額・日程は2026年9月時点です。